テロへの対策は?核セキュリティーサミット
50か国以上の首脳が核の拡散や核を使ったテロの防止策などを話し合う「核セキュリティーサミット」が間もなく閉幕する。国際機関などの行動計画を盛り込んだ合意文書が採択される。アメリカ・ワシントンの会場から近野宏明記者が伝える。
オバマ大統領の提唱で6年前に始まったサミット。最終回となる今回は、世界の治安情勢の流動化や過激派組織「イスラム国」の台頭など、核を使ったテロへの危機感が増す中での開催となった。
オバマ大統領「『イスラム国』のようなテロ組織に、核兵器だけでなく、いかなる大量破壊兵器も入手させないよう全力を尽くすことを明確にする機会だ」
会議では「イスラム国」対策も話し合われた。先月にはベルギーでテロ事件の容疑者らによる原発へのテロ計画の可能性が報じられたばかりで、オバマ大統領は「テロ組織が核兵器を入手したら、多くの人を殺すために使うのは疑いない」と述べ、対策の強化を訴えた。
日本とアメリカは早速、核を使ったテロや核の安全管理についての秘密情報を共有する仕組みづくりなどを行うと発表。この分野での協力も強める。間もなく終了する全体会議では、テロ組織などによる核物質の入手を阻止するための行動計画などを盛り込んだ合意文書「コミュニケ」が採択される。
核物質の全てが安全に管理されているわけではない現実をどこまで改善できるのか。オバマ大統領はこのあと会見し、残る課題についても総括する。