EU首脳会議 英首相“離脱”通告せずか?
EU(=ヨーロッパ連合)の首脳会議がまもなく始まる。イギリスがEU離脱を決めてから初めて各国首脳を前に説明を行う場となり、キャメロン首相の言動に注目される。EU本部から国際部の小島康裕記者が伝える。
会議はまもなく始まり、その後、夕食をとりながらイギリスの離脱問題を議論する予定。取材に訪れる報道陣は1500人に上るとみられている。
主役のイギリス・キャメロン首相が到着したのは会議開始の実に2時間前。一番乗りだった。
キャメロン首相「イギリスはEUを去ることになったが、離脱交渉はできるだけ建設的に行えるようにしたい」
首脳会議でキャメロン首相が離脱の意思を正式に通告すると、時計の針が動き出し、ちょうど2年後に自動的に離脱を迎えることになる。しかしキャメロン首相は、28日はその通告を行わない方針。離脱交渉を有利に進めるべく時間稼ぎをして水面下で協議を行いたいものとみられている。
EU側は通告を急ぐよう迫っていて、ドイツのメルケル首相もイギリスに「いいとこ取りはさせない」とけん制している。
EU側はなぜ離脱交渉の引き伸ばしを嫌うのか。いわば、どっちつかずの先行き不透明な状況は様々な臆測を招く。市場にもマイナスに作用し、ヨーロッパ各国で台頭している反EU勢力を勢いづかせることにもつながりかねない。
時間稼ぎをしたいイギリスと決まった以上はすぐに方針を固めて動き出したいEU側と当面は、綱引きが続くと考えられる。