イスラム教徒の女性向けの水着「ブルキニ」の着用をフランスの自治体が条例で禁じたことをめぐり、最高裁判所は２６日、人権侵害にあたるとして条例を凍結する判断を示した。

　「ブルキニ」はイスラム教徒の女性が身に着ける、顔以外の肌を露出しない水着。フランスでは先月ニースで起きたテロでイスラム教徒への風当たりが強まっていることを背景にニースなど約３０の自治体がブルキニの着用を条例で禁じた。

　こうした措置に差別的だとの批判も上がっていたが、フランスの最高裁判所は２６日、「ブルキニの着用を禁じるのは信教と個人の自由を侵害するものだ」として条例を凍結する判断を示した。

　ドイツやイギリスでは「好きな服を着るべきだ」と訴えるデモも行われているが、ＡＦＰ通信によると、一部の自治体は条例を取り下げない姿勢を示していて議論は続きそうだ。