北朝鮮は９日午前、今年１月に続き、５回目となる核実験を強行した。北朝鮮の国営メディアは「核弾頭の爆発実験に成功した」と報じた。ソウルから藤田賢治記者が中継。

　北朝鮮は従来の核実験とは違い、弾道ミサイルに搭載するための「核弾頭」の実験であることを強調している。韓国軍によると、日本時間９日午前９時半ごろ、核実験場がある豊渓里近くで、マグニチュード５．０の人工的な地震が観測された。韓国の気象庁は、震源の深さは７００メートルと、地表に近い場所で揺れが発生したとしている。約１０キロトンの爆発があったとみられ、これまでで最大規模とみられる。

　北朝鮮は９日建国記念日だが、日本時間午後１時半に臨時ニュースで「核弾頭の爆発実験に成功した」と報じた。

　朝鮮中央テレビ「北部の核実験場で新たに研究製作した核弾頭の威力判定のための核爆発実験を行った」

■Ｑ：「核弾頭」の実験というのはこれまでの核実験となにが違うのか？

　北朝鮮の主張が事実なら、初めての核弾頭実験成功となり、「核の脅威」がより現実的になることを意味する。北朝鮮は「核ミサイル」の完成を目標としている。そのためには度重なる弾道ミサイルの発射実験とともに、核弾頭の実験を成功させることが必要だった。

　北朝鮮は今回の声明で「核弾頭の性能も最終確認した」とした上で、「必要なだけ生産できるようになった」と威嚇している。

■Ｑ：今回の実験を韓国側はどう分析している？

　韓国の情報機関は９日、国会で今回の実験について説明したが、「この爆発規模だと実験が失敗したとは考えられない」とした上で、「兵器の開発が非常に早く進んでいることが強く懸念される」と分析した。