大統領選 TV討論はクリントン氏“勝利”
11月のアメリカ大統領選に向け、民主党クリントン候補と共和党トランプ候補が初めて直接対決するテレビ討論会が日本時間27日午前、ニューヨーク州で開かれた。経済や治安などをテーマに激論が交わされたが、現地メディアはおおむね、クリントン氏の勝利と評価している。
トランプ氏「30年も政治に関わっているのに雇用問題の解決策をなぜ今考えるのか?」
クリントン氏「30年ではないかもしれないけれど私は考えていた。夫(ビル・クリントン)もいい仕事をしたし、この討論会が終わった頃には全て私のせいにされそうだわ。これまでのように訳のわからないことを言うといいわ」
前半の経済政策の議論では、雇用の流出や通商問題の責任を追及され防戦に追われたクリントン氏だったが、後半はトランプ氏がオバマ大統領の出生地がアメリカではないと主張したことや、人種差別発言などで攻め込んだ。さらに、核政策をめぐり、大統領の資質に欠けると断言した。
クリントン氏「トランプ氏は日本や韓国などが核武装しても構わないと何度も言ってきた」
トランプ氏「不正確なことを言われたので反論させてほしい。我々は日本・ドイツ・韓国などを守っているが彼らは十分な費用を負担していない」
クリントン氏「出馬するなら『言葉』が重要で、大統領になってからはなおさらだ」
討論後、アメリカのメディアは「トランプ氏は時に狼狽(ろうばい)していたが、クリントン氏は落ち着いていた。トランプ氏を圧倒した」などと評価、クリントン氏の勝利と伝えている。