“最も見苦しい討論会”と酷評~米メディア
アメリカ大統領選の候補者による、2回目のテレビ討論会が行われた。クリントン氏は女性蔑視発言が発覚したトランプ氏の大統領の資質を問うたが、トランプ氏は謝罪する一方、クリントン氏に関するスキャンダルを取り上げて激しく攻撃した。
有権者からの厳しい目が注がれる中、背水の陣で望んだトランプ氏だが、CNNテレビは早速、前回に続き、クリントン氏が勝ったとする世論調査を公表した。
両候補は登場した際に一定の距離以上は近づかず、握手をしないなど、冒頭から緊張感が漂った。トランプ氏はまず、女性をさげすんだ過去の発言を謝罪した。
共和党・トランプ氏「これはロッカー室での発言だ。恥ずかしく思っている。私ほど女性を尊敬している人はいない。許可なくキスしたことはありません」
民主党・クリントン氏「トランプ氏は大統領や最高司令官にはふさわしくない。トランプ氏の女性についての発言は、彼の本質をよく表している。彼は女性だけでなく、移民やイスラム教徒も攻撃している」
これに対し、トランプ氏は苦しい反撃を始める。クリントン氏の夫、ビル・クリントン元大統領の女性スキャンダルを持ち出した。
トランプ氏「ビル氏は女性にひどいことをし、クリントン氏もその女性を攻撃した。ビル氏に乱暴された女性ら4人がここに来ています」
クリントン氏「トランプ氏の発言は大部分が間違っています」
討論会を前にトランプ氏は、アーカンソー州の知事時代のクリントン元大統領にわいせつな行為をされたと主張する女性たちに面会。自らの発言への批判を鎮めるだけではなく、非難の矛先を変えて反撃する戦略を鮮明にさせた。
終始、立ったままの状態で、落ち着いて答えるなど、前回よりは事前の準備をした印象のトランプ氏。一方でクリントン氏のメール問題などについて、「私が大統領だったら、彼女は刑務所にいれる」などとこれまで以上に強い非難を繰り返した。悪口レベルともいえる非難の応酬に、アメリカメディアは、「記憶に残る不快な討論会」「最も見苦しい討論会」などと酷評している。
合計3回のうち2回を終えた討論会。重要な政策論争を繰り広げるべきところが、女性問題という場外戦に終始スポットライトがあてられ、有権者が置き去りとなった印象。