TV討論会 トランプ氏が女性蔑視を釈明
アメリカ大統領選の候補者による2回目のテレビ討論会が中西部ミズーリ州で行われている。トランプ氏の女性蔑視発言で、大統領の資質を問うクリントン氏に対し、トランプ氏が釈明に追われる展開となった。
トランプ氏(車内の会話)「有名人なら女性は何だってさせてくれるんだ」
11年前のこの発言で、共和党内からも批判が高まり、大統領選からの撤退を求める動きも出ている。
致命的ともいえる女性蔑視の発言をうけ、多くの女性からの厳しい目が注がれる中、まさに背水の陣で望んだトランプ氏。討論会は冒頭から緊張感がただよった。
一定の距離以上は近づかず、握手をしないという両候補の異例の登場には、報道陣からもどよめきが起こった。トランプ氏はまず、女性をさげすんだ過去の発言を謝罪した。
共和党・トランプ氏「これはロッカー室での発言だ。恥ずかしく思っている。(Q:女性に許可なくキスしたことはあるか)私ほど女性を尊敬している人はいない。許可なくキスしたことはありません」
民主党・クリントン氏「トランプ氏は大統領や最高司令官にはふさわしくない。トランプ氏の女性についての発言は彼の本質をよく表している。彼はまだ誰に対しても謝罪をしていないのです」
しかしトランプ氏は、謝罪するだけではおさまらなかった。クリントン氏の夫、ビル・クリントン元大統領の女性スキャンダルを持ち出し苦しい反撃を始めた。
共和党・トランプ氏「ビル氏は女性にひどいことをし、クリントン氏もその女性を攻撃した。ビル氏に乱暴された女性ら4人がここに来ています」
民主党・クリントン氏「トランプ氏の発言は大部分が間違っています」
討論会を前にトランプ氏は、アーカンソー州の知事時代のクリントン元大統領にわいせつな行為をされたとして訴訟を起こした女性たちに面会した。女性蔑視という自らの批判をかわすため、トランプ氏は、まさに「開き直り」ともいえる反撃を展開した形。クリントン氏のメール問題などについて、「私が大統領だったら、彼女は刑務所に入れる」とこれまで以上に強い非難を展開した。
ただ重要な政策論争ではなく、女性問題という場外戦にスポットライトがあてられた今回の討論会。まさに異例づくしの今年の選挙戦を象徴するものとなった。