窮地のトランプ氏 「でっちあげ」と主張
アメリカ大統領選挙は日本時間20日午前10時すぎから、民主党のクリントン候補、共和党のトランプ候補による最後のテレビ討論会が行われ、トランプ氏の女性に関するスキャンダルなどで非難の応酬となった。ネバダ州ラスベガスから近野宏明記者が伝える。
自らの女性蔑視発言などで窮地に追い込まれているトランプ氏。性的な被害にあったという女性が次々と名乗り出ていることについて「でっちあげ」との主張を繰り返した。
トランプ氏「明らかにでっちあげ。女性たちが誰だかわからない。クリントン陣営が仕掛けた」
クリントン氏「彼は女性たちが性的暴行をしたくなるほど魅力的ではないから、するわけがないと言っている」
トランプ氏「そんなこと言っていない」「私ほど女性を尊敬している人間はいない」
「大統領の資質」というテーマで女性蔑視問題などを問われたトランプ氏は、クリントン氏が公務で私用メールを使っていた問題に話題を切り替えるなど防戦に追われた。
一方で、トランプ氏が選挙には不正があるとして、結果を受け入れない可能性に触れ、波紋を広げている。
共和党・トランプ候補「(Q:選挙結果を受け入れる?)その時になったら話す。今は何も言わない」
民主党・クリントン候補「それはとても恐ろしい考えです」
トランプ氏は、クリントン陣営が資格のない人に有権者登録を促しているなどと主張している。トランプ氏は20日の討論でも改めて、選挙は不正で自らに不利だと主張。選挙結果を受け入れないとしたゆさぶり戦術に、「偽りが多い」「候補として失格だ」などと、トランプ氏の資質を問う厳しい論評も出ている。
CNNテレビの簡易世論調査では、52%対39%で、クリントン氏が勝ったとする人が上回った。
投票日まであと20日。大統領選挙というアメリカの民主主義制度の根幹に挑戦するかのような発言で、トランプ氏への逆風はさらに強まりそうだ。