トランプVSクリントン 最後のTV討論会
アメリカ大統領選挙は、日本時間20日午前10時すぎから民主党のクリントン候補、共和党のトランプ候補による最後のテレビ討論会が行われ、トランプ氏の女性に関するスキャンダルなどで非難の応酬となった。ネバダ州ラスベガスから近野宏明記者が伝える。
自らの女性蔑視発言などで窮地に追い込まれているトランプ氏。性的な被害にあったという女性が次々と名乗り出ていることについて、「でっちあげ」との主張を繰り返した。
トランプ氏「明らかにでっちあげ。女性たちが誰だかわからない。クリントン陣営が仕掛けた」
クリントン氏「彼は女性たちが性的暴行をしたくなるほど魅力的ではないから、するわけがないと言っている」
トランプ氏「そんなこと言っていない」「私ほど女性を尊敬している人間はいない」
「大統領の資質」という、今回最も注目されるテーマで女性蔑視問題などについて問われたトランプ氏は、クリントン氏が公務で私用メールを使っていた問題に話題を切り替えるなど、防戦に追われた。
また、討論では冒頭、大統領が指名権限をもっている連邦最高裁の判事についても議論された。9人の枠のうち現在1人が欠員状態で、ここに誰を指名するかは、銃規制や同性婚、中絶といった国を二分するような重要な判決の方向性を決めることになる。有権者にとっては極めて重要で、両候補とも、比較的冷静に議論をかわした形となった。
トランプ氏は支持率でクリントン氏に7ポイント近い差を付けられ、本選で獲得が予想される選挙人の数でも水をあけられている。しかし、政策論では起死回生へのきっかけをつかんだとは言い難い状況。