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「日ソ共同宣言」から60年 北方領土は…

2016年10月19日 18:27
「日ソ共同宣言」から60年 北方領土は…

 日本とソ連が国交を回復した「日ソ共同宣言」の署名から、19日で60年。その節目の今年、北方領土問題の進展に期待が高まっている。モスクワから横内郁麿記者が伝える。

 日本で期待が高まる一方で、ロシアでは新聞を見ても記事が全くないというものも少なくない。一方で、取り上げている新聞は「北方領土を含むクリル諸島はロシアの領土」だと強硬的な内容になっている。

 市民の間では、北方領土の問題は関心が高いとは言えない。ロシアでは多くの人が北方領土は第2次大戦の結果、ソ連の領土になったものと考えている。

 安倍首相と向き合うプーチン大統領はどう考えているのか-。

 日本は北方領土4島は、日本固有の領土という立場。しかし、プーチン大統領は、「日ソ共同宣言」に基づいた決着を示唆している。それは「平和条約を締結した後に歯舞群島・色丹島の2島を引き渡す」というもの。

 こうした認識の違いを乗り越えるためのポイントになるのが、ロシア極東での「経済協力」。12月の山口県での首脳会談に向けて北方領土問題と経済協力をめぐり、日露双方の駆け引きが熱を帯びることになる。