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難民問題の象徴「ジャングル」から記者報告

2016年10月24日 18:30
難民問題の象徴「ジャングル」から記者報告

 フランス北部に、中東やアフリカから渡ってきた多くの移民や難民が違法に居座っている通称「ジャングル」と呼ばれる一角がある。難民問題の象徴ともなっているこの場所で移送が始まった。小島康裕記者が報告する。

 フランス・カレーにはアフリカ、あるいは中東アフガニスタンなどからの移民が長い行列を早朝から作っている。カレーの街から海底トンネルでつながるイギリスを目指していたが、ここからフランス国内へと移送させられることになる。

 ジャングルでは6400人が違法に占拠し劣悪な環境でテント生活を強いられていた。しかし、だれも解決策を示せずヨーロッパの難民・移民問題の象徴といわれてきた。

 地元は撤去を求めていたが、ようやく先週までに移送先などの調整がつき、24日朝から移送が始まった。

 アフガニスタン出身者「ここは人が多すぎて生活できるようなところではないです。(Q.ここから出られてうれしい?)もちろんうれしいです」

 一方、今回の移送は強制的なものではない。話を聞いても、バスには乗らないといった声も聞かれた。地元メディアによると、全部で6000人以上いるうち、まだ1000人程度しか同意していないという。移送も、移民らを分散させるだけで根本的な解決にはなっていない。そのうち新たなジャングルが生まれるのではとも指摘されている。