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投票迫る 米大統領選の仕組みとは?

2016年11月2日 12:51
投票迫る 米大統領選の仕組みとは?

 アメリカ大統領選挙の投票は、土壇場に来てトランプ氏の支持率がクリントン氏を逆転したとの調査結果も出ている。近野宏明ワシントン支局長が、来週に迫った大統領選の仕組みを解説する。

 アメリカの大統領選挙は、広い国土の有権者の声を反映させるのに、州ごとにまとめていくのが特徴。ひとりひとりの有権者が投票した結果を州ごとに集計する。一番多くの票を集めた候補者がその州の「勝者」になる。そして、州の人口に応じた「選挙人」を獲得する。合計538人の選挙人のうち過半数の270人をとれば勝ち、大統領に決まる。

 その選挙人の獲得レースがここへきて一進一退の状況になっている。クリントン氏のメール問題をFBI(=米連邦捜査局)が再捜査すると発表し、1日に発表された米紙「ワシントン・ポスト」などの調査では、トランプ氏の支持率が46%と、45%のクリントン氏を逆転し、1ポイントリードした。

 ただ、いま獲得が予想される選挙人は、クリントン氏が259人、トランプ氏が164人(リアル・クリア・ポリティクスによる平均値)。トランプ氏は残る「激戦州」のほとんどで勝たないと過半数に届かず、クリントン氏が優勢なのは変わらない。

 投票はもう来週に迫っているが、中傷合戦ばかりが目立ち、有権者も少々うんざりしている。街の声を聞くと──。

 有権者「アメリカ史上最もひどい選挙だと思う」「本当に疲れたよ。みんな疲れていると思う」「アメリカがまた一つになるには時間がかかると思う」

 女性初の大統領か、アウトサイダーの大統領か。残り少ない選挙戦はさらにし烈になる。