比巡視船 スカボロー礁周辺でパトロール
フィリピンの沿岸警備当局は、中国と領有権を争っているスカボロー礁の周辺で今月5日に巡視船によるパトロールを実施したことを明らかにした。
フィリピン沿岸警備当局によると今月5日、スカボロー礁の周辺の海域に2隻の巡視船を派遣しパトロールを行ったという。派遣された船のうち1隻は日本から今年8月に供与され、就航したばかりの巡視船だという。
南シナ海のスカボロー礁はフィリピンの排他的経済水域内にあるが、2012年以降、中国が実効支配し、フィリピンの漁民が近づけない状態が続いていた。しかし、ドゥテルテ大統領が先月、中国を訪問し、南シナ海問題に関する仲裁判決を事実上、棚上げすることで合意した後から中国側による漁民への妨害はなくなっていた。
フィリピン当局は今回のパトロール中にフィリピンの巡視船が付近にいた中国の公船と無線で連絡を取り合ったとしていて、パトロールが中国側の了解のもとに行われた可能性がある。