米大統領選 クリントン氏が敗北宣言
アメリカ大統領選挙は8日に投開票が行われ、共和党のトランプ候補が勝利した。敗れた民主党のクリントン氏は9日、選挙のあと初めて公の場に姿を見せ、敗北宣言を行った。
2回目の挑戦はあと一歩のところで敗れたクリントン氏。支持者らを前に敗北の弁を語る際には、さばさばとした笑顔も見られた。
クリントン氏はトランプ氏に電話でお祝いを伝え、協力を申し出たことを明らかにした上で、次のように述べた。
クリントン氏「この選挙に勝てなかったことを申し訳なく思う」「彼が全てのアメリカ国民のために、成功する大統領になることを願う」
クリントン氏は「我々は法のルール、平等と尊厳、信仰や表現の自由も尊重し、守らなければならない」と述べ、トランプ氏の政治姿勢に注文をつけるのも忘れなかった。女性初の大統領を目指しながらあと一歩及ばなかったクリントン氏の話しぶりは幾分リラックスした様子で、大きな肩の荷が下りたかのような印象も感じられた。
また、クリントン氏は初の女性大統領を逃したことについて、「我々は高く硬いガラスの天井をまだ破れていないが、いつの日か、そう遠からず、誰かがガラスの天井を破ってくれるでしょう」と述べた。
一方、オバマ大統領は9日、ホワイトハウスで声明を発表し、トランプ氏に穏やかな引き継ぎを望む考えを示した。
オバマ大統領「政権の平和的移譲は民主主義のすばらしさの一つだ。これからの数か月、我々は世界にそれを見せていく」
オバマ大統領はこの会見に先立ち、トランプ氏に電話をし、祝意を示した。10日にはトランプ氏をホワイトハウスに招き、政権移譲について話し合う予定。トランプ氏はオバマ政権の目玉政策やこれまでの実績をことごとく否定しているため、就任後は急速な政策転換が予想される。大統領のスピーチの間、涙を流すホワイトハウスのスタッフもいたということで、衝撃の大きさがうかがえる。