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「トランプショック」続く 全米で反対デモ

2016年11月10日 14:59
「トランプショック」続く 全米で反対デモ

 アメリカ大統領選挙で勝利したトランプ氏は、9日、姿を見せなかった。トランプ氏への期待と不安が入り交じる中、大統領就任に反対するデモが全米各地で起きる事態になっている。

 トランプ氏は9日、自宅のあるトランプタワーで一日を過ごしたものとみられ、姿を現すことはなかった。勝利宣言では国民に対して団結を訴えたトランプ氏だが、これまで主張してきた不法移民やイスラム教徒などへの厳しい姿勢が招いた国民の分断は解消されていない。

 ニューヨークのトランプタワー近くでは9日夜、反トランプ派の人々による数千人規模のデモが起きた。

 デモ参加者「トランプ氏は良識・まともな考えの全てに反している。彼には投票していない。この国のリーダーにふさわしくない」

 参加者はトランプ氏について「我々の大統領ではない!」「差別主義者だ」などと叫び、選挙結果を受け入れられないとしている。

 また、ワシントン市内にあるトランプ氏が経営するホテルの前でも若者が集まり、「トランプ氏の考え方は差別的だ」などと非難した。

 デモ参加者「トランプ氏は選挙に勝ったが、これは私のアメリカではない。彼は私たちのあるべきアメリカの姿を代表していない」

 トランプ氏への期待と不安が入り交じる中、こうした「反トランプデモ」はサンフランシスコやシカゴなど全米規模で起きている。

 一方、敗れたクリントン氏は9日、ニューヨーク市内で敗北を認め、若者にメッセージを残した。

 クリントン氏「挫折はつらいが、信念のために戦うことは価値があると信じ続けてほしい」

 そして、トランプ氏に次のバトンを渡すオバマ大統領は、10日にトランプ氏をホワイトハウスに招き、政権の移行に向けて話し合う。

 オバマ大統領「政権の平和的移譲は民主主義のすばらしさの一つだ。これからの数か月、我々は世界にそれを見せていく」

 またオバマ大統領は、「この国には他人を尊重することが必要だ」などとトランプ氏への注文も忘れなかった。

 トランプ氏は、オバマ政権からの大幅な方針転換をはかるとみられていて、具体的にどのような政策を打ち出していくのかが注目されている。