伊首相が辞表提出“反EU政党”が支持拡大
EU(=ヨーロッパ連合)に協力的だったイタリアのレンツィ首相が国民投票での憲法改正案の否決を受け、辞表を提出した。その一方で、反EU政党が勢いを強めている。
レンツィ首相は5日、大統領に辞表を提出した。投票結果を受けて、市民からは賛否の声が聞かれた。
反対に投票した人「(結果に)満足だ。私たちがもう少し権利を持てるといい」
賛成に投票した人「賛成に投票したのでとても残念」
ドイツのメルケル首相は、レンツィ首相の改革方針を常に支持してきた、として残念だとコメントした。
一方、フランス極右政党のルペン党首は、EUの政策に対する拒否の流れはヨーロッパ全体で加速していると述べた。
地元メディアはレンツィ首相の強引な政治手法に対する不満が表面化したと分析した。対照的に市民にいわば迎合する姿勢の新興政党「五つ星運動」が支持を拡大している。
市民の不満をすくいとったアメリカのトランプ氏に象徴されるポピュリズム優勢の流れがイタリアに受け継がれた形。来年はフランスやドイツで政権を選択する選挙が行われるが、このポピュリズム優勢の流れを受けて既存の政治勢力が破れるのか、重要な局面が続く。