“国民投票敗北”伊レンツィ首相、辞意表明
イタリアで4日に行われた憲法改正の是非を問う国民投票は、反対派が優勢となっていて、レンツィ首相は敗北を認め、辞意を表明した。
レンツィ首相は1時間ほど前に首相府で記者会見を行った。首相府前では反対派の人たちが集まり、自分たちのことは自分たちで決めると声を張り上げている。
「私たちは大多数の国民を説得することができなかった。多くのすばらしい賛成票をもらったが十分ではなかった」-レンツィ首相は5日、大統領に辞表を提出するという。
投票は上院の権限を大幅に縮小する憲法改正を問うもので、レンツィ首相の事実上の信任投票と位置づけられていた。最新の開票状況(開票率86.6%)では賛成が40.3%、反対が59.0%と19ポイントほど反対が上回っている。
反対派の中心で新興政党「五つ星運動」のリーダー・グリッロ氏はブログで「さようならレンツィ」とコメントしている。五つ星運動はEU(=ヨーロッパ連合)やユーロに反対の立場で、今後さらに勢いを増すと考えられる。
アメリカのトランプ氏の勝利に続き、従来の政治を覆す流れが加速して、金融市場にも影響が及ぶことが懸念される。