発効困難に…トランプ大統領TPP離脱署名
アメリカのトランプ大統領は23日、TPP(=環太平洋経済連携協定)から離脱する大統領令に署名した。これによりTPPの発効は困難になった。
アメリカの雇用が奪われると繰り返し批判してきたTPPから離脱する大統領令に署名したトランプ大統領。アメリカの内向き姿勢が決定的となったことで、国際経済に大きな打撃を与えることになりそうだ。
トランプ大統領「アメリカの労働者にとって素晴らしいことだ」
TPPは去年2月に12の国が署名し、日本など各国で国内の承認手続きが進められてきた。しかし、経済規模の最も大きなアメリカが参加しないと発効できない仕組みになっており、今回の離脱で発効は困難になった。
TPPの交渉を始めたオバマ前政権は、台頭する中国に対するけん制という安全保障上の役割も重視していたが、トランプ政権は次のように説明した。
スパイサー報道官「トランプ大統領は中国について、経済面でも安全保障面でも、その地政学的な立場についてかなり明確に理解している」
トランプ政権は今後、日本を含め、TPPに参加する11の国とそれぞれ個別に2国間の貿易交渉を始める方針。
2国間交渉でアメリカは、日本に厳しい要求をしてくる可能性がある。早速、その方針を示す発言があった。企業の幹部らとの会合で、日本の通商政策は公平ではないとして批判している。
トランプ大統領「我々が日本で車を売る場合は、日本は販売を難しくさせているが、日本はアメリカで車を販売している」
トランプ大統領が日本でのアメリカ車の販売について不満を表明したのは初めて。今後、日米間の貿易交渉が始まった場合、アメリカ車の販売を増やすよう日本側に要求してくる可能性がある。
日米は来月上旬にも、首脳会談を行うことで調整しているが、通商交渉と安全保障の折り合いをどのようにつけるのか。日本にとって難しい調整が続くことになりそうだ。