正男氏殺害 北朝鮮国籍の男、きょう釈放へ
北朝鮮の金正男氏が殺害された事件で、逮捕された北朝鮮国籍の男について、マレーシアの司法当局は3日、男を不起訴とする方針を固めた。男は3日に釈放される。
事件をめぐっては、すでに起訴されている実行犯の女2人のほかに北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者が逮捕されている。北朝鮮国籍の容疑者4人を犯行現場の空港まで運んだ車の所有者とされるリ容疑者だが、逮捕後一貫して容疑を否認するなどしていて、警察はリ容疑者が事件に関わった十分な証拠を集めることができなかったとみられる。
こうした状況をうけ、マレーシアの司法当局は、リ容疑者を不起訴とする方針を固め、リ容疑者は3日、釈放されることになる。
現時点で滞在に有効な在留資格がなく、釈放後、国外退去処分となる見通しで、3日にも北朝鮮に強制送還されるとみられている。
一方、マレーシア入りしている北朝鮮政府の代表団は、改めて遺体の引き渡しを求め、猛毒のVXによる殺害ではなく、「心臓発作で死亡した」と主張した。
北朝鮮・元国連次席大使「(マレーシア保健省によると)男性は糖尿病と心臓病、高血圧の薬を持っていた」
代表団はまた、VXによる殺害ならば使用した2人の女や空港の利用客らが無事なのはおかしいと強調、マレーシア当局の捜査に疑問を呈した。