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現地メディア“リ容疑者を釈放”と報道

2017年3月3日 11:57

 北朝鮮の金正男氏が殺害された事件で、逮捕されている北朝鮮国籍の容疑者が3日午前、警察署を出た。地元メディアは、リ容疑者が釈放されたと報じている。マレーシア・クアラルンプールの警察署前から松永新己記者が伝える。

 警察署を出るとき、防弾チョッキを着たリ容疑者は周囲を気にしながら車に乗り込んだ。事件をめぐっては、すでに起訴されている実行犯の女2人のほかに北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者が逮捕されていた。

 リ容疑者は、北朝鮮国籍の容疑者4人を犯行現場の空港まで運んだ車の所有者とみられるが、逮捕後、一貫して容疑を否認するなどしていて、警察は事件に関わったことを示す十分な証拠を集めることができなかったとみられる。

 これまでにマレーシアの司法当局からの発表はないが、地元メディアは、リ容疑者が不起訴となり釈放されたと報じた。現時点では有効な在留資格がないため、リ容疑者はこの後、国外退去処分となり、3日にも北朝鮮に強制送還される見通し。

 リ容疑者は日本時間3日午前11時頃、入国管理当局の施設に入った。マレーシア当局はこれで、唯一の北朝鮮国籍の逮捕者を失うことになり、今後の捜査は厳しい局面を迎えることになる。