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北朝鮮国籍の男、警察署後に きょう釈放へ

2017年3月3日 10:47

 北朝鮮の金正男氏が殺害された事件で、北朝鮮国籍の容疑者とみられる男が日本時間3日午前10時前、警察署を出た。容疑者は3日、釈放され、北朝鮮に強制送還される。マレーシア・クアラルンプールの警察署前から松永新己記者が伝える。

 リ容疑者とみられる男は日本時間3日午前10時前、警察官らに伴われて車に乗り込み、警察署を後にした。少し周りを気にしながら、車に乗り込む様子だったが、両腕は後ろ手にされた状態だった。この後、釈放にむけたプロセスに入るとみられる。

 事件をめぐっては、すでに起訴されている実行犯の女2人のほかに、北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者が逮捕されている。リ容疑者は、北朝鮮国籍の容疑者4人を犯行現場の空港まで運んだ車の所有者とみられるが、逮捕後、一貫して容疑を否認するなどしていて、警察はこれまでに事件に関わった十分な証拠を集めることができなかったとみられる。

 こうした状況を受けて、マレーシアの司法当局はリ容疑者を不起訴とする方針を固め、この後、釈放されることになる。今後のリ容疑者についてだが、現時点で滞在に有効な在留資格がないため、釈放後、国外退去処分となる見通しで、3日にも北朝鮮に送還されるとみられる。