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李克強首相、朝鮮半島に懸念「衝突の恐れ」

2017年3月15日 16:11

 中国の国会にあたる全人代(=全国人民代表大会)が閉幕した。15日午後に行われた閉幕後の会見で李克強首相は、緊張が高まる朝鮮半島情勢について「衝突を引き起こす恐れがある」と強い懸念を示した。

 最高指導部が入れ替わる党大会をひかえ習近平指導部は、内政だけでなく、外交でも安全運転を目指している。その外交のかじ取りを難しくさせる北朝鮮問題について、李首相は強い懸念を示した。

 中国・李克強首相「朝鮮半島や東北アジアで緊張が高まり、衝突を引き起こす恐れがある。これは各国の利益にならない」

 李首相は「誰しも隣の家が騒がしいのは好まない」と関係各国に自制を求めた。

 また、注目の対米関係では、現在、調整中の習主席とトランプ大統領の初の首脳会談に言及し、米中関係の重要性を強調。南シナ海問題など対立する問題でけん制するコメントは避けて関係改善のメッセージをアメリカ側に送った形。

 一方、国内に向けては今回の全人代期間中、繰り返し、習主席の権威が強調された。15日午前の閉幕の演説でも、共産党幹部が「習主席が党、軍、すべての民族の威信を高め、核心となったことを誇りに思う」と訴えた。

 政権運営方針や予算案に大多数が賛成し、去年より反対や棄権票が減った。習近平主席への権力集中が投票結果でも色濃く表れた形。習主席は、党大会での最高指導部の人事に向けてさらに有利な環境を整えつつあるといえる。