インドネシアで日本の岸田首相と中国の李強首相も出席するASEAN（＝東南アジア諸国連合）の関連首脳会議が始まります。処理水を巡って反発を強める中国と岸田首相との間でやりとりが交わされるのかが焦点です。

　　　　　◇

ASEAN各国と日本との会合で、岸田首相は改めて処理水について理解を求めたとみられます。次の、中国が同席する会合が岸田首相にとっては大きな正念場になります。

まもなく始まる会合には、ASEAN各国に加え、岸田首相や中国の李強首相、韓国の尹錫悦大統領も出席します。

福島第一原発の処理水の海洋放出の後に日中首脳が同じテーブルにつくのは初めてで、ASEANの首脳らを前に李強首相からどんな発言があるのかが注目されます。

一方、岸田首相は改めて処理水の安全性などについて理解を求めるとみられますが、中国側が科学的根拠に基づかない主張をすれば反論する方針で、意見の応酬になることも予想されます。

さらに、中国への経済的な依存度が高いASEANの一部の国から、中国に同調する動きが出ることも懸念されています。

日中会談も模索されていて、立ち話を含め、直接接触することで解決の糸口をつかめるのか注目されます。