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ローマでも40℃超…国連は「地球沸騰」と警鐘 温暖化だけではない世界的猛暑の原因とは…気象予報士が解説【バンキシャ!】

2023年7月31日 9:16
ローマでも40℃超…国連は「地球沸騰」と警鐘 温暖化だけではない世界的猛暑の原因とは…気象予報士が解説【バンキシャ!】

世界中で危険な暑さが続く中、国連のグテーレス事務総長は、「地球沸騰」という言葉を使って警鐘を鳴らした。しかし、この猛烈な暑さは「地球温暖化」だけでは説明ができないという。気象予報士の木原実さんが、この暑さの原因を詳しく解説。(真相報道バンキシャ!)

今月27日、国連のトップから衝撃的な言葉が飛び出した。

国連・グテーレス事務総長
「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」

地球沸騰──。異常な暑さが各国を襲った。イタリアローマでは、今月18日、現地時間で観測史上最高となる41.8℃を記録した。さらに、アメリカ・カリフォルニア州のデスバレーでは、温度計が55℃を示していた。あまりの暑さに水着で観光する人もいた。

観光客
「オーブンを開けたみたいだ」

NNN・岡田光弘記者
「この暑さで目玉焼きができるか、やってみたいと思います。どうでしょうか」

記者はそう言うと、炎天下の屋外で生卵をフライパンに落とし、フタをした。そして、待つことおよそ30分後……。フタを開けてみると、白身がやや固まり、目玉焼きが出来ていた。

さらに、カリフォルニア州の隣のアリゾナ州では、転んだ人が、高温になったアスファルトでヤケドをするケースが続出している。

     ◇

「地球沸騰の時代」という言葉すら飛び出したこの世界的な暑さ。この理由はなんなのか。気象予報士の木原実さんは次のように話した。

<気象予報士の木原実さん>

いろいろ言われていますよね。温暖化とか、それからエルニーニョなどということもあります。しかし全体的に考えると、やっぱり偏西風の蛇行が大きいと思います。

北半球には強い偏西風が上空に流れていて、これは波打って流れるんですが、今年は特にこの波の打ち方が大きいようなんですね。言ってみれば偏西風というのは「エア・カーテン(空気のカーテン)」みたいなものなんです。

偏西風の南側は熱い空気、北側は涼しい空気なんですが、この蛇行が北に盛り上がっているところには、南の熱い空気が集中する。ですから、ヨーロッパ、日本付近、そして北米、こういったところに、この夏は熱気が集中して、猛暑になっていると考えられます。

ですから、すべてが「地球温暖化」で説明できるというわけではないんです。ただ、今までギリギリだったものが、温暖化でかさ上げされますので、35℃ギリギリが35℃を超える。40℃ギリギリが40℃を超える。そういうふうに、目立ってきたということはあると思います。


(*7月30日放送『真相報道バンキシャ!』より)