米大統領「機密文書問題」訴追されず 特別検察官報告書「バイデン氏の記憶力にはかなり限りがあった」
アメリカのバイデン大統領の自宅などから副大統領時代の機密文書が見つかった問題で、特別検察官は8日バイデン氏を刑事訴追しないと結論づけた報告書を公表しました。報告書は、「バイデン氏の記憶力にはかなり限りがあった」などと指摘していて81歳のバイデン氏の健康状態を懸念する声が一段と高まる可能性があります。
報告書によりますとバイデン氏が事情聴取に応じた際、「私が副大統領を退任したのはいつだったか?」「2009年には私はまだ副大統領だったか?」などと話し、副大統領の任期を覚えていなかったとしています。
また、自身の長男が亡くなった時期も思い出すことができなかったということです。
こうしたバイデン氏の事情聴取の様子から「裁判になれば、バイデン氏は事情聴取の時と同じように記憶力が悪い善意の老人としてふるまうだろう」として陪審員に有罪の確証を示すのは難しいとの見方を示しました。
バイデン氏は報告書の公表後、急遽会見を開き「私の記憶力は大丈夫だ」と反論しました。しかし、その直後にエジプトのシシ大統領を「メキシコの大統領」と言い間違える場面があり、アメリカメディアは早速、「失態だ」などと報じていて懸念の払しょくとはなりませんでした。
バイデン氏は今月7日にも、ドイツのメルケル前首相を2017年に亡くなったコール元首相と言い間違えました。
さらに、4日にはフランスのマクロン大統領と1996年に亡くなったミッテラン元大統領を混同するなど、人名の言い間違いが続いています。
アメリカメディアは「バイデン氏が世界の指導者たちを混乱させたのは、今週で3度目だ」と指摘していて、大統領選で再選を目指すバイデン氏にとって痛手となりそうです。