来日公演で……サザンの倍? 驚異の経済効果“スウィフトノミクス” テイラーさん、米大統領選にも影響か【#みんなのギモン】
そこで今回の#みんなのギモンでは、「“スウィフト経済圏”って何?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。
●経済効果…GDP を押し上げ?
●大統領選も“スウィフティー”頼み?
■熱狂…東京ドームに集まったファン
「今日本に来ていて、7日に来日公演の初日を迎えたテイラー・スウィフトさん。『Anti-Hero』が含まれたアルバムで通算14回目のグラミー賞を受賞。受賞後、初めての公演が日本ということで東京ドームは満員。動員した約5万5000人を熱狂させました」
「8日も東京ドーム周辺のグッズ売り場には、開演の数時間前から長蛇の列ができていました。日本各地から集まったファンに聞きました」
東京からのファンと茨城からのファン
「アイラブユー、テイラー! 去年の夏くらいから、このブレスレットたくさん作るのにビーズ集めて(準備した)」
愛知からのファン
「大好きです」
福岡からのファン
「まっすぐに生きてる感じがたくましい」
埼玉からのファン
「テイラーが選挙運動とかを、熱心に自分の意見を伝えてるのを見て、あんまり興味なかったんですけど、選挙を投票しに行きました」
■経済効果と政治への影響に注目
鈴江奈々アナウンサー
「音楽だけじゃなくて、選挙にまで足を運ばせる影響力を日本でも持っているんですね」
小林解説委員
「若者を動かしている感じがしますよね。日本でもとてつもない人気を誇るテイラーさんですが、今“スウィフトノミクス”と言われる経済効果も注目されています。さらに政治の世界でも、トランプ氏の大統領への返り咲きを脅かしかねない存在にまでなっています」
■グラミーの「アルバム賞」は歴代最多
小林解説委員
「テイラーさんはアメリカ出身のシンガーソングライター。アメリカ音楽界の最高の栄誉であるグラミー賞は、今年2つ追加して通算14回受賞しています」
「テイラーさんがグラミー賞の年間最優秀アルバム賞を受賞したのは今回が4度目で、フランク・シナトラさんやスティーヴィー・ワンダーさんらの記録を更新し、歴代最多という快挙となりました」
辻岡義堂アナウンサー
「さらに記録を伸ばしそうですもんね」
■東京公演、4日間の経済波及効果は?
小林解説委員
「テイラーさんはひとたびツアーで訪れると、その地にものすごい経済効果をもたらします。今日本で行われている東京公演、4日間の経済波及効果はおいくらぐらいだと思いますか?」
忽滑谷こころアナウンサー
「私の友達のSNSを見ていてもみんな行っているので、ちょっと高いかもしれないんですけど、4日間で200億円くらい?」
小林解説委員
「経済効果.NETによると、東京公演 4 日間で約 341 億円です。桁が大きすぎてよく分からないですよね。去年、神奈川・茅ヶ崎で4日間公演を行ったサザンオールスターズの経済効果は約180億円でしたので、ざっくりサザンの倍くらいになります」
辻岡アナウンサー
「サザンオールスターズの 180 億円もすごいですけどね」
忽滑谷アナウンサー
「インタビューに答えてくださった方々も、参戦する衣装もそろえるなどして、かなりこだわってるなと思いました。行ったら欲しくなるグッズの売り上げも、すごいんじゃないですか?」
■ファンの宿泊・交通費も…波及効果大
小林解説委員
「そのあたり気になりますよね。今回のライブでいくら使ったのか、8日、ファンの方たちにも聞いてきました」
富山からのファン
「10万。チケット代4日分と、食事とかホテルもあるので」
千葉からのファン
「メイクだけで2万くらい」
愛知からのファン
「30万くらいはいってるのかな」
辻岡アナウンサー
「それぞれがそれぞれの楽しみ方を見つけてますよね」
小林解説委員
「この試算を出した経済効果.NETによると、チケット販売で約54億円、グッズ販売で約34億円。加えてファンの宿泊費で約10億円、さらに交通費が約8億円と、波及効果が大きいことが分かりますよね」
「東京のみの公演なので、日本全国からファンが集まるため、観光で落とすお金も経済効果を高めるだろうということです」
■ロスでは3300人の雇用を創出
小林解説委員
「ただ、これで驚いてはいけません。去年から行われているテイラーさんの全米ツアーの全体の経済効果となると、さらに桁違いです。関連支出を含めると約1.5兆円、約100億ドルになると、アメリカ旅行協会が試算しています」
「同協会によると、ロサンゼルスでは3300人の雇用が創出され、GDPにも貢献しました。米メディアによると『地域の旅行と観光の促進に貢献した』とも評価されています」
鈴江アナウンサー
「すごいですね。素晴らしい楽曲を世に送り出すだけじゃなくて、いろんな人の仕事もつくって地域経済を潤して…。すごい効果ですね」
■「動向次第で次の大統領が決まる」
小林解説委員
「影響は経済だけにとどまりません。大統領選も“スウィフティー”頼み?というポイントについて見ていきます」
「今年11月に行われるアメリカの大統領選挙。このままいくと、現職のバイデン大統領とトランプ前大統領の“おじいさん対決”になる可能性が高まっていて、若者の関心が急速に薄れているとも指摘されています」
「そんな中、欧米のメディアでは最近『テイラーさんの動向次第で次の大統領が決まる』といった報道まで相次いでいます」
「つまり、若者を中心に絶大な人気と影響力を持つテイラーさんが支持を打ち出せば、それがそのまま投票行動につながり、選挙結果さえ左右しかねないということです」
■4年前の選挙ではバイデン氏を支持
市來玲奈アナウンサー
「4年前(の選挙で)はバイデン大統領を支持していて、SNSの発信も話題になっていましたよね」
小林解説委員
「バイデン大統領は 4 年前の自らのインスタグラムへの投稿で、バイデン氏を支持するというクッキーを手にしたテイラーさんの写真とともに、『アメリカの歴史上、とても重要なこの時に私への支持を打ち出してくれてありがとう』と自らコメントしています」
「ただ、テイラーさんは今回はまだ誰を支持するかというのは明確に打ち出していません」
■サプライズも?…両陣営の思惑は
小林解説委員
「そんな中、有力紙のニューヨーク・タイムズは、バイデン氏の選挙対策チームがテイラーさんの全米ツアーのステージに大統領がサプライズで登場し、その場で支持を打ち出してもらうといった戦略を本気で練っていると報じました」
辻岡アナウンサー
「サプライズがバレてしまっていますよね…」
小林解説委員
「一方で、もしテイラーさんがバイデン氏支持を打ち出した場合、トランプ陣営はテイラーさんの陰謀論などを持ち出し、全力でテイラーさんをおとしめようとする作戦に出るだろう、とも言われています」
鈴江アナウンサー
「既にフェイク動画なども出ているので、そういった動きも出かねないですし、アメリカのアーティストの皆さんが、割と大統領選に向けて支持を打ち出すというのは文化としても根付いているので、どちらを支持するのかというのは注目されますよね」
「アメリカの大統領選挙というものが、ウクライナ情勢を左右したり、世界経済を左右したり、私たちの日本にも影響するので、テイラーさんの SNS のつぶやき、一言が大きな影響を及ぼしそうですね」
小林解説委員
「発信力に注目ですね。テイラーさんがいつ支持を打ち出すのか、はたまた打ち出さないのか。アメリカ大統領選の行方さえ決める重要なファクターの 1 つとして注目されています」
(2024年2月8日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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