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人気のウラに“陰謀論”? 共和党候補「大本命」トランプ氏 支持者が信頼するネット番組は“デマの中心地”? 米大統領選・予備選

2024年3月4日 19:43
人気のウラに“陰謀論”? 共和党候補「大本命」トランプ氏 支持者が信頼するネット番組は“デマの中心地”? 米大統領選・予備選

アメリカ大統領選挙に向けた野党・共和党の予備選で、圧倒的なリードを保つトランプ前大統領ですが…人気のウラには、根拠のない“陰謀論”が渦巻いています。

NNNリッチモンド 橋本雅之(米・バージニア州 2日)
「トランプ前大統領が姿を見せました。超満員の会場、ものすごい熱気に包まれています」

共和党 トランプ前大統領(77)
「スーパーチューズデーで圧勝します。そして、11月には、頭のおかしいバイデンにこう言ってやります! 『お前はクビだ! 出ていけ!』」

野党・共和党候補の“大本命”とされる、トランプ前大統領。

「トランプ! トランプ!」

その人気を支えているのは、熱狂的な岩盤支持層です。

トランプ氏の支持者
「今の政府を牛耳っているのは、バイデンではない。裏で、誰かが操っているんだ」

トランプ氏の支持者
「(4年前に)選挙は盗まれたのです。不正です!」

支持者の口から聞かれたのは、根拠のない“陰謀論”の数々――。

アメリカでは、有権者の35パーセントが、4年前の大統領選で「バイデン氏が不正によって勝利した」という“陰謀論”を、今も信じているのです。(※米・モンマス大の世論調査 2024年2月8日~12日に実施)

その“危うさ”が浮き彫りとなったのは、3年前の2021年1月6日。“陰謀論”を信じるトランプ支持者らが暴徒化し、連邦議会議事堂を襲撃。民主主義の根幹を揺るがす事件に発展しました。

    ◇

ダグラス・スイートさん(61)は、あの日、議事堂に侵入し逮捕された人物です。

トランプ氏を支持 ダグラス・スイートさん(61)
「これが、議事堂の中の写真です。まるで映画のようでした」

当時、議事堂では、トランプ氏が敗れた選挙の結果を確定させる手続きが行われていました。

その裏では…

トランプ大統領(当時)
「議事堂に向かって歩こう!」

トランプ氏の呼びかけに応じ、スイートさんは議事堂に向かったといいます。

トランプ氏を支持 ダグラス・スイートさん(61)
「『選挙が盗まれた! バイデンを大統領にする手続きはさせない!』、そういう思いでした」

スイートさんは、現場で逮捕されました。裁判では、保護観察付きの有罪判決を受けています。

それでも、あの日の自らの行為を悔いたことはないといいます。

トランプ氏を支持 ダグラス・スイートさん(61)
「議事堂の中に入ったことを、誇りに思っています。今こそ、この国を救うために、“平和的”に何かしなくてはいけないと思ったんです」
「もう一度だってやります。今すぐにでも」

30年ほど前に妻と離婚し、現在は一人暮らしのスイートさん。養鶏や狩猟によって、自給自足の生活を送っています。

人との交流が少ないなか、需要な情報源となっているのは、自身が“信頼する”というネットメディアです。

トランプ氏を支持 ダグラス・スイートさん(61)
「他では聞けないような“真実”を、たくさん教えてくれるんです」

スイートさんが真剣に見ていたのは、“デマの中心地”とも揶揄されるネット番組です。この日も司会者が、根拠のない“陰謀論”をあたかも真実であるかのように拡散していました。

トランプ氏を支持 ダグラス・スイートさん(61)
「主要メディアが報じないことにも、“真実”があるはずです」

    ◇

陰謀論を信じ込む父親に、娘は複雑な思いを抱いています。スイートさんとは政治的信条が異なる、長女のロビンさん。

スイートさんの長女 ロビンさん
「私の3歳の誕生日の写真です。父のことが大好きでした」

優しくて、人を笑わせるのが好きだった父親…。しかし、トランプ氏の登場によって激変した、といいます。

スイートさんの長女 ロビンさん
「人を侮辱することがあり、物事を誤解するのが、今の父の生き方、考え方です。かつては、『また元の父に戻ってくれるのではないか』、『会話をすれば、考えを変えてくれるのではないか』と思う時もありました。でも、それは起きないのだと気づいたんです」

さまざまな“陰謀論”が渦巻くアメリカ――。

“陰謀論”の専門家は、今回の選挙戦で、トランプ氏が“陰謀論”を巧みに利用している、と指摘します。

“陰謀論”研究の第一人者 米・マイアミ大 ジョゼフ・ユージンスキ教授
「トランプ氏は、“陰謀論”を使って支持者を獲得し、寄付させている。大統領に就任する可能性のある人物が、多くの“陰謀論”に関与しているのは、懸念すべきことです」

日本時間5日夜に始まる“スーパーチューズデー”。トランプ氏の優勢は揺るがず、指名獲得に大きく近づくものとみられています。