歌姫テイラー・スウィフトの動向で大統領が決まる? 返り咲き目指すトランプ氏が警戒
アメリカ大統領選挙に向けた野党・共和党の候補者選びのヤマ場「スーパーチューズデー」は、日本時間の5日夜に投票が始まります。勝利確実とされるトランプ前大統領がその先の大統領選で警戒しているのが、歌手のテイラー・スウィフトさんです。
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ニューヨークの美術館で開かれている人気歌手、テイラー・スウィフトさんの展示会。テイラーさんが着用した衣装などを一目見ようと、連日多くのファンが訪れているといいます。
テイラーさんのファン(15)
「テイラーが大好きです」
テイラーさんのファンの大学生
「テイラーが好きで彼女の衣装が見たくて来ました」
美術館 広報担当者
「テイラーの展示会がオープンしてから、ここの入場料収入は436%増加しました。テイラー効果は本物です」
グラミー賞の「最優秀アルバム賞」を史上最多の4回受賞するなど、絶大な人気を誇るテイラー・スウィフトさん。そのテイラーさんを今“警戒”しているのが、大統領への返り咲きを目指すトランプ前大統領です。2月11日には、「テイラー・スウィフトがペテン師ジョー・バイデンを(大統領選で)支持するはずがない」とSNSに投稿し、テイラーさんを名指しでけん制。トランプ氏がそこまでテイラーさんを恐れる背景にあるのが、その影響力です。
2018年の中間選挙では、テイラーさんが投票に必要な「有権者登録」を呼びかけると、若年層の登録者数がわずか4日間で27万人も増加。今年11月に行われるアメリカの大統領選挙では、「テイラーさんの動向次第で次の大統領が決まる」とまで言われているのです。
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特に絶大な影響を与えているのがZ世代です。
記者(テキサス大学オースティン校、2月13日)
「こちらのクラスでは、テイラー・スウィフトさんの歌を授業の題材として扱っています」
この日、文学の授業で議論されていたのは、テイラーさんの楽曲「august」の歌詞の解釈についてでした。
テキサス大学オースティン校 スカラ教授
「どうして歌詞に『ワイン』を使ったと思う?」
学生
「『ワイン』という歌詞で、大人になった主人公が過去を振り返っているように感じられます」
教授は、Z世代が慣れ親しんだテイラーさんを題材にすることで、学生たちが文学に興味を持つきっかけになるといいます。そして、それは学問にとどまりません。
テキサス大学オースティン校 スカラ教授
「彼女(テイラー)にできることは、たとえ関心がない選挙であっても、選挙には参加すべきであると人々に気づかせることだと思います」
若い世代が政治に参加する“きっかけ”を生む影響力があると話します。実際、Z世代の学生たちがどのように考えているのか聞いてみると…
学生
「彼女は選挙戦に影響を与えます。彼女がどう投票すべきかを呼びかければ、みんなその通りに投票すると思う」
一方、こんな意見も聞かれました。
テイラーさんのファンの学生
「私はテイラーの大ファン。でも、私は元々リベラルだから、もう投票すべき側は決めている。だから彼女から影響を受けるわけじゃない」
それでも、テイラーさんが与える影響は大きいとみられています。
ホワイトハウス関係者
「与党・民主党は、党大会が行われるシカゴになんとかテイラーを呼ぼうと水面下で動いているようだ」
バイデン大統領の陣営は、勝利のためテイラーさんをなんとか自身の選挙戦に巻き込みたい考えです。
一方、2021年の議会襲撃事件への関与をめぐり、大統領選への立候補が危ぶまれていたトランプ氏ですが、4日、連邦最高裁は立候補を認めるとの判断を下しました。日本時間5日夜にせまった野党・共和党の候補者を選ぶ「スーパーチューズデー」では、勝利確実とされています。
今のところテイラーさんは誰を支持するかは明確にしていませんが、その動向が注目されます。