現代病の“目の疲れ”北朝鮮でも増加し子どもの視力低下が顕著に 国営テレビが推奨する視力低下を予防するための対策とは?
現代病の“目の疲れ”は北朝鮮でも問題になっているようです。子どもの視力低下も広がっていて、原因は日本と共通していました。
北朝鮮でいま、“目の疲労”など目の不調を訴える人が増加しているという。さらに、幼い世代を中心に視力の低下が問題になっていると、国営の朝鮮中央テレビは伝えています。
その原因として報じているのは「パソコンの過度な使用」。パソコンやスマートフォンを利用する機会が増えたことをあげています。
そもそも、北朝鮮でパソコンやスマホ利用による視力低下という指摘を意外に感じる人もいるかもしれません。
北朝鮮は国内の状況をつまびらかにしていないため、実態はなかなか明らかになりませんが、北朝鮮でも、着実にパソコンやスマホの利用者が増えていることが、韓国政府が行った調査からも明らかになっています。
韓国統一省が北朝鮮を脱北した人に行った調査では、2000年以前に脱北した人のうちパソコンを所有していたと答えた人はわずか1%。それが2016年以降に脱北した人だと、その割合は33%ほどに急増しています。
携帯電話について、同じ調査では、2000年以前は所有者が全体の1%に満たなかった回答が、2016年以降に脱北した人だと、35%が所有したことがあると答えるなど、情報端末に接する機会が北朝鮮でも格段と増えていることが間接的にわかります。
過去にNNNの取材班が北朝鮮へ入った際も、少なくとも首都・平壌ではスマホを利用している人を見かけるのは珍しい光景ではなくなりつつありました。
こうした背景もあってか、朝鮮中央テレビは「大人のみならず、子どももメガネを掛けている」と指摘。さらに、視力の低下が子どもを中心に増えているということです。
幼い頃から、パソコンやスマホを利用していることが影響していると分析していて、特に20歳代以下の人での増加が顕著だとしています。
国営テレビは視力低下の予防策の一つとして、正しい姿勢でのパソコン利用や、使用する時間を減らすよう呼びかけています。
加えて推奨しているのが「食べ物を通じて、目に良い栄養素を十分にとる」こと。つまりは食事の改善です。視力の低下を防止するためとして推奨されているのが、ビタミンの多い食材で、ニンジンやピーマン、さらにはリンゴやトマトなどをあげています。ただ、これらの食材を摂取することで、どの程度、視力低下を予防できるかは不透明です。