ビル解体工事始まる 現地の様子は 台湾地震発生から3日目
台湾沖を震源とする大地震の発生から、5日で3日目。地震によってこれまでに12人の方が亡くなっています。現地では5日も森キャスターが取材を続けています。
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震源に最も近く被害が最も大きかった花蓮という街に来ています。先ほどから小雨が降り始めまして地盤が緩んでいるので、土砂災害の心配も高まっています。
私の後ろにありますのが9階建てのビルですが、地元のメディアによりますと、70世帯以上が暮らしていましたが、そのうち女性1人が亡くなっています。
4日もこの場所からお伝えしましたが、5日、新たな動きがありました。
地震発生からまだ3日目ですが、解体工事が始まったんです。今、画面に映っていますのが8階部分と7階部分で、重機によって窓ガラスが破られまして、そこから右下に鉄骨が伸びているのがわかると思います。こちらはこれからの解体作業の支えになっているということです。
また隣の建物に被害が及ばないように足場を組みまして、現在はシートが張られるようになってきました。4日よりも多くの重機が集まってきています。
実は5日も取材を続けていたんですけれども、大きな揺れが何度もあったんです。下から突き上げるような揺れを少なくとも3回感じ、周りから悲鳴が上がるほどの強さでした。台湾当局によりますと、いずれも震度4の揺れだったということです。
このような地震が続く中、安全確保の観点からビルの解体を急いでいるということで、およそ2週間の日程で解体が行われ、進むということです。
ーー解体の作業がもう始まっているということですが、なぜそこまで早い対応ができるんでしょうか?
この地域をとりまとめるリーダーの方にお話を伺ったんですけれども、自治体と救急隊の中で、地震が起きたらどうするのかを、事前に想定して作業のマニュアルを作っていた、それに従っているということなんです。
このビルに関しても、地震が起きてから、まず、すぐに住民を避難させること、そしてその後に倒壊した原因の検証に必要な証拠を集めること、準備が整い次第すぐに解体すること。それが事前のマニュアルで決まっていたということで、それにのっとって、迅速な作業が現在、進められています。