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北朝鮮「ジャガイモ推し」に見る食糧事情

2019年6月21日 14:19
北朝鮮「ジャガイモ推し」に見る食糧事情

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「北朝鮮の食糧事情」。日本テレビ報道局・国際部の高柳遼太郎記者に聞く。


――北朝鮮の食糧事情、本当に厳しいようですね。

そうですね、深刻化しています。いま画面に映っているのは、4月に国連のWFP(世界食糧計画)などが北朝鮮で行った調査の映像です。国連機関によると、北朝鮮の去年の農作物生産量は過去10年で最低となっていて、130万トン以上の食料が不足しています。北朝鮮メディアは、最近、干ばつの被害も伝えていて、食糧不足はさらに深刻化するおそれがあります。その食料不足が深刻化する中で、『カギのひとつはジャガイモ』です。


――北朝鮮でジャガイモとはどんな存在なんでしょう。

北朝鮮の主食というのは日本人と同じコメですが、北朝鮮の国土――私たちが映像でよく見るのは平壌の町並みですが、実際は山が多く、水田を増やしづらいという事情があります。これに対し、ジャガイモは、山間部でも栽培しやすく、干ばつにも比較的強いので、積極的な増産が図られていると見ることができます。

最近は、金正恩委員長自らも、去年、北部の三池淵郡の農場を視察した際に、「金正日総書記の故郷にジャガイモの山を高く積んで総書記の念願を必ずかなえよう」と述べるなどジャガイモ増産の旗を振っています。また、労働新聞は、北部の両江道で、去年のジャガイモ収穫量が過去最大だったとも報じています。


――まさにジャガイモを増産することで、食糧不足を乗り越えようという狙いなんですね。

そういう意図もあると見ていいかと思います。北朝鮮では90年代に、「苦難の行軍」と呼ばれる食糧難の時代があって、当時は「ジャガイモを主食にせよ」というスローガンが叫ばれたといいます。ただ、北朝鮮経済に詳しい環日本海経済研究所の三村光弘氏によると、ジャガイモは、主な産地である北部以外ではあくまで「副菜」、つまり「おかず」として扱われることが多いといいます。だから、国営テレビが、ジャガイモ料理の番組を繰り返し放送する背景には、ジャガイモを国民にさらに普及させたいという考えがありそうです。

ちなみに、国営テレビが紹介していた「ジャガイモのジャム」が気になったので、同じ材料と配分で実際に作ってみました。こちらの写真が実際に作ったジャムです。食べてみると、マッシュポテトを甘くしたといった味で、これをトーストとかにぬって食べると、おいしく頂けました。


――そのジャガイモが今後どうなっていくのかというのを見ていると、また北朝鮮の事情がわかってきそうですね。

そうですね。料理番組も通じて見ていければと思っています。


【the SOCIAL opinionsより】

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