北朝鮮の食糧難“ジャガイモジャム”で克服
食糧事情が厳しいといわれる北朝鮮、国営テレビの番組からもその一端を垣間見ることができる。金正恩委員長、肝いりで普及をはかるジャガイモ料理とは?
ジャガイモジャムが北朝鮮の食卓を彩る。
国営放送の料理番組で紹介されたジャガイモジャムのレシピは…
ジャガイモ粉末150g、塩3g、バター50g、砂糖250g、牛乳1リットル。
これらの具材を弱火で約10分よく混ぜて作る。おすすめはサンドイッチ。更に「ジャガイモ粉末茶」も登場し、次のように紹介する。
「ジャガイモ粉末茶は家庭で簡単に作って飲むことができ、ビタミン・ミネラルが豊富で吸収されやすく、主婦の間で好評です」
弱火でじっくり、煎ったジャガイモ粉末をお湯で溶いた飲み物だ。
番組では他にもジャガイモドーナツやジャガイモ麺などの料理を紹介し、栄養満点などとアピールした。
実は、国営テレビでは最近、ジャガイモ料理が頻繁に紹介されている。
金正恩委員長が肝いりで開発を進める北部・三池淵。金委員長は、おととしから度々、ここに建設されたジャガイモ粉末工場を視察している。ことし4月にはジャガイモ粉末を積極的に市民の生活に取り入れ、様々な料理を新たに開発するよう指示した。そこにはある背景がありそうだ。
それは北朝鮮で深刻化する食糧不足だ。今年は、干ばつも続いているという。そこで栽培が容易なジャガイモに力を入れているものとみられる。しかし、長期保存が難しいため、粉末などに加工して、その消費をうながす狙いがありそうだ。
北朝鮮では食糧危機に瀕(ひん)した90年代に「ジャガイモ革命」が叫ばれ、ジャガイモの生産に力を入れてきたのだ。
【the SOCIAL viewより】