ナワリヌイ氏の母親「息子に会わせて」死因は… これまでもプーチン政権批判で“謎の死” ロシア側は…
急死したロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏の妻ユリアさん。「プーチンが夫を殺した」と語り、夫の遺志を継ぐと宣言しました。さらに20日夜、公開されたメッセージで、ナワリヌイ氏の母は「息子に会わせて」と訴えています。
ナワリヌイ氏が死亡したとされる今月16日、夜中に撮影された防犯カメラの映像です。
ロシアの独立系メディアは、後ろのミニバスにはナワリヌイ氏の遺体が乗せられていて、遺族らが刑務所に確認に来る前に、意図的に隠そうとしたのではないかと指摘しています。
19日、ロシア当局は、遺族に遺体は14日間引き渡さないと通告。20日夜に公開されたビデオメッセージで母親は、次のように話しました。
ナワリヌイ氏の母親
「私は5日間息子に会えていません。彼の遺体を引き取ることができていません。どこに遺体が安置されているのかすら教えてくれません。私の息子に会わせてください」
いまだ明らかにされていない、ナワリヌイ氏の死因。活動をともにしてきた妻のユリア氏は19日に公開されたYouTubeで…
ナワリヌイ氏の妻 ユリア氏
「3日前にプーチンが私の夫を殺害しました」
“プーチン大統領が最愛の夫を殺害した”と強く訴えました。
“反プーチンのカリスマ”で反体制派の指導者として知られていたナワリヌイ氏。去年12月からは政権を批判した「過激主義」などの罪で北極圏にある刑務所に服役中でした。
亡くなる前日にはオンライン裁判に参加。裁判官に笑顔で冗談を言う様子もありましたが、この翌日、ナワリヌイ氏は亡くなりました。
遺族らはロシア当局から「突然死症候群」だと告げられたといいますが、ロシアの独立メディアは遺体に「あざ」があったと救急隊が語っていると伝えています。
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ロシアではこれまでもプーチン政権を批判し、“謎の死”を遂げた人がいます。
去年8月、乗っていた小型機が墜落し民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が死亡。さらに、ウクライナメディアは、去年ロシアからウクライナに亡命した元パイロットがスペインで死亡したと伝えました。男性は何者かに殺害されたとみられています。
ロイター通信によると、ロシア側は殺害への関与についてコメントはしていません。
ナワリヌイ氏の妻 ユリア氏(YouTubeより、19日公開)
「私は夫の活動を引き継いで我が国のために戦いを続ける。自由で平和で幸せなロシアの未来、素晴らしいロシア、それを私の夫は夢見ていました。みなさんも何も恐れないでください」
そして、タス通信によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、日本時間20日夜、ナワリヌイ氏の死にプーチン大統領が関与しているという疑惑について「全く根拠がない」と述べています。
(2月20日放送『news zero』より)