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岸田総理、処理水放出をめぐり、中国と“溝”埋まらず

2023年9月8日 1:45
岸田総理、処理水放出をめぐり、中国と“溝”埋まらず

福島第一原発の処理水放出後、初めて日中首脳が顔を合わせるASEAN=東南アジア諸国連合との一連の会議が終わりました。岸田総理大臣は、処理水放出をめぐり、各国に理解を求めました。

6日に行われたASEAN+日中韓首脳会議で、中国の李強首相は、各国首脳を前に、処理水を「核汚染水」と表現し、「日本側は責任ある方法で核汚染水を処理すべきだ」と、一方的な主張を繰り返しました。

ただ、一連の会議を通じて、中国以外の国から処理水について特段、言及はなく、中国の主張に理解を示す国は現れませんでした。

日本政府の関係者は、「安全性への理解が広がっている証し」と評価しています。

今回、岸田総理と李強首相による正式な会談は行われませんでしたが、岸田総理は、短時間の立ち話で、日本産水産物の輸入禁止措置の即時撤廃を直接、求めました。

岸田首相
「中国の日本の水産物に対する全面的な一時停止ということは、 突出した対応であると、科学的な見地に基づいて行動すること、また正確な情報提供を行うことの重要性に ついてこの改めて指摘をいたしました」

日本政府関係者は、「日本の立場を直接、伝えたことは意義深い」と話すなど、一定の成果をあげたとは言えそうです。ただ、中国との溝は埋まっておらず、粘り強く向き合っていくことが求められています。