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トランプ氏、米露会談で術中にはまる?──「停戦案」事実上拒否されても上機嫌 プーチン氏の交渉術…「遅刻」で焦り誘発か

2025年3月20日 10:10
トランプ氏、米露会談で術中にはまる?──「停戦案」事実上拒否されても上機嫌 プーチン氏の交渉術…「遅刻」で焦り誘発か

ウクライナでの戦闘の終結に向けた、アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領の電話会談。アメリカ側が示した案は事実上拒否されましたが、トランプ氏は上機嫌でした。プーチン氏の思惑通りだったという見方がありますが、何があったのでしょうか?

■プーチン氏が示した落としどころ

藤井貴彦キャスター
「ウクライナ情勢をめぐり、停戦のカギになるとみられたアメリカとロシアの首脳による電話会談が18日行われました。今回の会談は、プーチン氏の思惑通りになったという見方があるようですね」

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「トランプ氏は『30日間の全面的な停戦』という案を持って会談に臨みましたが、プーチン氏は事実上これを拒否した形です。それにもかかわらず、トランプ氏は『素晴らしい会談だった』と上機嫌でした」

「どうしてなのか。アメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授によると、プーチン氏は今回の会談で完全に拒否するのではなく、『エネルギー施設への攻撃停止』という落としどころで合意し、うまく話をつけたといいます」

「停戦に一歩前進のようにも見えますが、ロシア側にとって時間稼ぎにもなる合意を結んだ形で、トランプ氏をおだてて本来の要求をかわしたということです」

■プーチン氏、1時間待たせる?

小栗委員長
「プーチン氏は会談の際、1時間ほどトランプ氏を待たせた可能性があります。というのも、会談が始まる可能性のある時刻に、別の会合に出ていました」

「小谷教授によると、プーチン氏は今回もあえて遅刻することで、トランプ氏の焦りや不安を誘って会談をコントロールしたのでは、ということです」

■トランプ氏、停戦実現へ焦り?

かしゆか(Perfume・『news zero』水曜パートナー)
「トランプ氏は意志が強いように見えて、このように戦術にはまるというのは意外でした。なぜ焦ってしまったのでしょうか?」

小栗委員長
「それは私も本当に不思議に思うのですが、関係者の話では、トランプ政権はキリスト教の復活祭(イースター)にあたる4月20日までに停戦を実現させたいと考えているようで、どこかに焦りがあったのかもしれません」

「また、自分が電話会談に臨んで何も成果を挙げられないというのではプライドが傷つくという思いもどこかにあったのかもしれませんね。小谷教授は、トランプ氏はプーチン氏の術中にはまったと話していました」

藤井キャスター
「トランプ氏本人は術中にはまったと思っていないのか、または『術中にはまっていますよ』と忠告する人は周りにいなかったのでしょうか?」

小栗委員長
「それを言ってしまうとクビを切られてしまうので、誰も言えないそうです。このままでは、ずるずるとプーチン氏のペースで停戦協議が進んでいく可能性もあるということです」

■大国同士で…ウクライナの要望は?

藤井キャスター
「市民の命が奪われている中で、停戦交渉は今後どうなっていくのでしょうか?」

小栗委員長
「国際情勢に詳しい慶応義塾大学の廣瀬陽子教授も、今回の会談はプーチン氏の思惑通りだったとした上で、トランプ氏としては停戦協議を早く進めたい気持ちはあるものの、プーチン氏を怒らせるわけにもいかないので、条件をのむしかないということです」

「結局は大国同士で決めていく流れになっていて、ウクライナの要望はどうなるのかが今後のポイントになるといいます」

(3月19日『news zero』より)

最終更新日:2025年3月20日 10:10