イスラエル、UNRWAの活動を事実上禁止する法案審議 UNRWAトップは「国連憲章違反だ」と批判
イスラエルが、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の活動を事実上禁止する法案を審議していることについて、UNRWAのトップは9日、「国連憲章違反だ」と批判した上で、活動継続の必要性を訴えました。
イスラエルとイスラム組織ハマスによる衝突が1年を迎えたパレスチナ自治区ガザ地区では、UNRWAによる人道支援が民間人の生活を支えています。ただ、イスラエルは、UNRWAの一部の職員が去年10月のハマスによる大規模攻撃に関与した可能性があることから、「UNRWAはハマスだ」などと主張し、活動を事実上禁止する法案を審議しています。
こうした中、UNRWAのラザリーニ事務局長は9日、イスラエルの法案は、「国連憲章違反だ」と指摘した上で、安全保障理事会に対し、UNRWAの存続を求めました。
UNRWA・ラザリーニ事務局長
「『反UNRWA法案』はパレスチナ人の難民としての地位を剥奪し、将来の政治的解決策の条件を一方的に変更しようとするものだ」
また、国連のグテーレス事務総長は8日、イスラエルの法案に「深い懸念」を表明する書簡をネタニヤフ首相に送ったことを明らかにしました。ただ、イスラエルは、グテーレス氏の入国を禁止するなど、関係が悪化の一途をたどっていて、ネタニヤフ氏が応じるかは不透明な状況です。