「サハコムニュースはもうありません」ロシアの独立系メディア「サハコム」当局の圧力で自ら閉鎖
ロシア極東サハリン州にある唯一の独立系メディア「サハコム」が5日、当局の圧力にあって自ら閉鎖を選択しました。
ロシアでは1日から「外国エージェント監督法」が施行されメディアなどへの監視が強まっています。
「サハコムニュースはもうありません」――
サハリン州の独立系メディア「サハコム」のウェブサイトにはこんなタイトルが表示されました。
「サハコム」は1999年8月にニュース配信を開始し、北方領土を含むサハリン州のニュースを発信していました。
その中には「特別軍事作戦の動員兵の安否は国家機密」などと政府を批判する内容もあって、ニュースサイトは8月から3度にわたってロシア通信当局にブロックされたということです。
このためサハコムの経営陣は「この状況下でジャーナリズム活動を継続することは困難なだけでなく危険にもなる」と判断し、5日での活動停止を決め、自らのウェブサイト上で発表しました。
サイトには、取材に携わってきた11人の記者らの最後のメッセージがつづられていて8年間携わったという男性記者は「当局は禁止することも、黙らせることもできるし、殺すことさえできるが、自由で正直な人の精神まで殺すことはできません」と書き込みました。
ロシアでは1日、スパイを意味する外国の代理人に誰もが指定される「外国エージェント監督法」が施行されていて、メディアを含めた言論統制がより強まっています。