米報道官「プーチン大統領は歴史を曲解」 各国から批判の声
ロシアのプーチン大統領は9日、第二次世界大戦の戦勝記念日の演説で、ウクライナへの軍事侵攻について改めて正当性を主張する一方、具体的な戦果などには言及しませんでした。欧米各国からは「歴史を曲解している」などと批判の声が上がっています。
プーチン大統領「NATOは、ロシアに隣接する土地に積極的に軍を配備し始めた。日々、危険度が増していった。ロシアは敵対行為に対して先手を打ったのだ。やむを得ず、今やらなければならない唯一の正しい決定だった」
プーチン大統領はこのように述べ、軍事侵攻の正当性を改めて主張した一方、具体的な戦果や「戦争宣言」などについては言及しませんでした。
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この発言に対して、欧米各国からは批判の声が上がっています。
米国・サキ大統領報道官「プーチン大統領は歴史を曲解し、歴史を変えようとしている。不当な戦争を正当化するためだと言わざるを得ない」
米国防総省・カービー報道官「プーチン氏は演説で軍事作戦を正当化した。しかしそれは間違っている。彼には(侵攻した)2月24日に、まだ外交の選択肢があったのに無視した」
また、フランスのマクロン大統領はパレードについて、「力の誇示、威嚇のためのもので、好戦的な姿勢を示していた」と述べたほか、イギリスのウォレス国防相は「プーチン大統領らにとって、ウクライナでの戦勝記念日はやってこない。あるのは敗北と不名誉だけだ」と批判しました。
一方、ポーランドでは、第二次世界大戦終結77周年の式典に出席したロシアの大使が、デモ隊から赤いペンキをかけられるひと幕がありました。
ロシア外務省はポーランドに対し、適切な措置をとるよう強く抗議したということです。
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こうした中、ウクライナでは、東部を中心にロシア軍による攻撃が続いています。
ウクライナ国防省の報道官は9日、ウクライナ軍が抵抗を続けている南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に対し、ロシア軍が強行突入を続けていると述べました。
一方、アメリカ国防総省の高官は9日、ロシア軍の規模について、今回の戦勝記念日を機に、大規模な増派は確認されておらず、その兆候もない、としています。