プーチン大統領“記念日”演説「ウソだらけ」――ウクライナから避難の市民憤り「民家や病院を破壊」 在日ロシア人は「残念」
ロシアのプーチン大統領が「対独戦勝記念日」の9日、演説を行いました。支持する声が聞かれた一方、日本に住むロシア人女性は「記念日が違う意味になって残念」と語りました。また、ウクライナから避難した男性は「すべてウソ」と強い怒りをあらわにしました。
■ロシア国民からは「支持」の声
戦勝記念日の9日、プーチン大統領がモスクワで演説しました。会場の外では、スマートフォンでその様子を見る人の姿がありました。
ロシア国民からは「とても素晴らしい。大統領のすべての言葉に納得したよ」「大統領が戦いを選択したなら、それは我々の選択だ。我々は大統領と共にある」と、支持する声が聞かれました。
■記念日「違う意味に」…在日ロシア人
日本に住むロシア人のクリスティーナさん(27)は、今回の戦勝記念日に例年とは違う印象を受けたといいます。
クリスティーナさん
「戦勝記念日は一番大切な日で、平和のための日。今までは『ロシア人は絶対戦争に参加してはいけない』というメッセージが強かった。今回、プーチン(大統領)が全然違うテーマにしてしまったのは、すごい残念だと思います」
ロシアに住む家族からは、どんな反応があったのでしょうか。
「お母さんから『5月9日おめでとう』とメッセージが来たんですけど、私は今回は全然違う意味になったので、『私は返せないです』って言ったら、『あなたは自分の考えを直した方がいい』と言われました」
「(母に)『大事な日なので祝うべきです』と言われて、確かにそうなんですけど、今回は全然違う意味の日になってしまったので、なかなか祝うことができないです」
■日本に避難…演説に「すべてウソ」
今年3月、日本に住む娘を頼ってウクライナから避難してきたセルゲイさん(62)に話を聞きました。プーチン大統領の演説中、セルゲイさんは何度も首を振っていました。
セルゲイさん
「ウソだらけでした。ドンバスについてのウソ、ナチについてのウソ。戦闘が始まったのはウクライナが悪いというのもウソ。すべてウソ」
「本当は民家、病院、幼稚園、学校、インフラのすべてが破壊されていた。この話でどれだけプーチン(大統領)がウソをついているのか分かります」
(5月9日『news zero』より)