中露首脳会談 侵攻後初の対面形式で…軍事協力“欲しいけど求めない”? 分析の理由は
ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が15日、ウクライナへの侵攻後に初めてとなる直接会談を行います。専門家は「ロシアは軍事的な協力が欲しいけれども、それを求めるかどうかは分からない」と話しています。なぜなのでしょうか…
■中露首脳会談へ ロシアは“軍事的な協力”求める?
有働由美子キャスター
「ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席。この2人が、ウクライナへ侵攻後初めて、15日、直接顔を合わせて会談することになりました。ロシアと言いますと今、ウクライナ東部で大規模な反転攻勢を受けまして、戦略の練り直しを迫られています。そんな中、2人が会う…。なにか軍事的な協力を深めよう、ということなんでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「ロシア政治に詳しい慶応義塾大学の廣瀬陽子教授は『軍事的な支援を中国がするという話にはならないのではないか』、また中国に詳しい笹川平和財団の小原凡司上席研究員も、『ロシアは軍事的な協力が欲しいのはヤマヤマだけれども、それを求めるかどうかは分からない』と話しているんです」
■プーチン大統領は協力要請しない? その理由は…
有働
「プーチンさん、協力は欲しいけど求めない…というのはどうしてですか?」
小栗
「その点、小原上席研究員は2つの理由をあげています。まず1つは、プーチン大統領というのは、『習主席より立場が下になるのはイヤだ』ということなんですね。『これまで軍事的には、中国がロシアに支援を求めていたのに、今度はロシアが中国に協力を求めるという形になってしまう。今まさにロシアと中国の力関係が変わるかどうかというタイミングで、プライドの高いプーチン大統領が協力をお願いするだろうか…』、というわけなんですよね」
「そしてもう1つは、『習主席が軍事協力に応じる可能性は、現段階では低い』ということなんです。これまで習主席は、中国批判を強めるアメリカを牽制する狙いもあって、ウクライナ侵攻後もプーチン大統領との連携を深めてきましたけれども、小原上席研究員によると、この姿勢には中国国内にも批判の声があるそうなんです。そこで習主席としては、『自分の3選を目指す秋の党大会を前にプーチン大統領に倒れられたら、自分の失策を批判されかねない一方で、これ以上あからさまに軍事支援をして、 国内の批判が高まることも避けたい』というわけなんです」
■専門家「これ以上、なにで協力関係を誇示するのか…」
有働
「とすると、何を話すんでしょうか?」
小栗
「ロシアが、欧米の経済制裁に苦しむ中で、『経済面での協力を行うのでは』という見方もありますが、小原上席研究員は『すでに中国は、ロシアからエネルギーを安く買えるだけ買いたたいている。これ以上、なにで協力関係を誇示するのか分からないし、注目している』と話していました」
(9月14日放送『news zero』より)