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ジョージアで“スパイ法”近く成立へ 「ロシア法」とも呼ばれ国内混乱広がる

2024年5月29日 16:14
ジョージアで“スパイ法”近く成立へ 「ロシア法」とも呼ばれ国内混乱広がる

旧ソ連のジョージアで28日、「ロシア法」とも呼ばれる法案が議会で再び可決されました。近く成立する見通しで、国内に混乱が広がっています。

ジョージア議会前の大型スクリーンで中継された、いわゆる“スパイ法”の審議。再可決されると、集まった反対派からは怒号があがり、警察官とにらみ合う場面もありました。

法案は、外国から20%以上の資金提供を受けている団体を、事実上の「スパイ」とみなして登録を義務付けるものです。

ロシアでは同様の法律が言論統制に使われていることから、反対派は「ロシア法」などと批判。議会も大荒れとなりました。

反対派「“ロシア法”にみんなストレスを感じている。これはEU加盟を目指す私たちの道ではないから」

ジョージアでは、国民の大多数がEU=ヨーロッパ連合への加盟を望んできました。

EUは“スパイ法”の撤回を繰り返し求めていましたが、再び可決されたことにより、ジョージアのEU加盟は見通せなくなっています。

シンクタンク「ジオケース」 ビクトル・キピアニ所長「ジョージアはNATOやEUに加盟したいと思っても、安全保障の“傘”がない。地政学的な影響を考慮しなければならないのです」

ジョージアは、ロシアと900キロに及ぶ長い国境を接していて、2008年にはロシア軍の侵攻を許すなど、ウクライナにも似た状況が存在しています。

ことし4月までのロシアへのワインの輸出量は、去年の倍に増えました。

ロシアとの対立を回避するため、ジョージアは経済関係を深めるなど“現実路線”を歩んできました。“スパイ法”は再可決によって近く成立する見通しですが、国民の反発は一層、強まることが予想されます。