米抗議デモ拡大 ワシントンでも一部暴徒化
アメリカで黒人男性が白人警察官に押さえつけられ、その後、死亡した事件を受けて、全米で抗議デモが拡大。首都ワシントンでも一部が暴徒化しています。矢岡亮一郎記者の報告。
私はワシントンで外出禁止令が発令されたため、対岸のバージニア州からお伝えしています。取材したホワイトハウス前は、かなり緊迫した状況になりました。
トランプ大統領が暮らす、ホワイトハウス前のデモはこれで3日連続、市内でも、略奪や放火が相次いでいます。ワシントンは、これまで新型コロナウイルスの影響で、非常に閑散とした状況が続いていましたが、まったくその表情を変えました。取材中も高級ホテルにあるパラソルが放火される現場にも遭遇しました。
地元メディアは大統領が29日、警護隊に促され、一時、地下室に避難したと伝えていて、トランプ大統領もかなり危機感を高めているものと思われます。
Q.なぜここまで全米で暴徒化したのでしょうか。
取材中、気になったのは、デモ隊には黒人だけでなく白人の若者や反トランプ団体なども混在していて、構図が複雑になっていると感じます。さらに、新型ウイルスの影響で格差が露骨に表面化して、不満が蓄積していたこともデモ拡大の要因とみられています。
トランプ大統領は「極左のグループが背後にいる」として、分断をあおるような発言を繰り返していて、国民の結束を呼びかけるような演説もまだありません。今後、分断がさらに深まる可能性もありそうです。