トランプ氏が選挙集会 分断あおる場面も
アメリカのトランプ大統領は20日、秋の大統領選挙に向け、南部オクラホマ州で3か月半ぶりに選挙集会を開きました。準備スタッフ6人の新型コロナウイルス感染が判明した中での開催です。ワシントンから矢岡亮一郎記者が伝えます。
会場には高齢者から幼い子供まで集まり、かなり密集した状態になりました。会場入り口ではマスクが配られましたが、着用は義務づけられず、実際、マスクをしている人は、ほとんどいませんでした。また、事前に会場入りした準備スタッフ6人がコロナウイルスに感染していたことも判明しています。
トランプ陣営はこの日、屋内と屋外、2回の演説を設定していて、10万人が集まるとの観測もありましたが、実際は大幅に下回り、空席が目立ちました。大統領は急きょ、屋外の演説をキャンセルしています。
トランプ大統領「あなたたちは戦士だ。外にはとても悪い奴らがいる」
演説では、会場の外に集まった反トランプのデモ隊を「とても悪い奴ら」と呼んで、分断をあおりました。
また、一時封印していた「中国ウイルス」との言葉も使い、中国への厳しい姿勢も強調して、支持者にアピールしました。一方で、対応を批判されている黒人差別への抗議デモには、一切触れませんでした。
Q:トランプ大統領はなぜ、ここまで集会にこだわるのでしょうか。
大統領選挙まで4か月あまりで、対抗馬のバイデン氏にリードを許している焦りもありそうです。
大統領はこの日も「バイデンはずっと地下にいる」「過激な左派の操り人形だ」などと訴え、ライバルを執拗(しつよう)に攻撃しました。
大統領は、国内の分断をあおったり、中国への強硬姿勢を示すことで、4割いるとされる支持基盤を固める選挙戦略を採っています。ただ、今回の集会で、支持者の集団感染が起きれば、自身に批判の矛先が向くことになります。秋の選挙に向け、非常に危うい支持固めの集会となりました。