「夫を助けて」“封鎖”された団地で女性が土下座 「ゼロコロナ政策」の中国
「ゼロコロナ政策」を掲げる中国では、感染対策のため、団地を封鎖するなど、厳しい制限を行っていますが、トラブルもおきるなど、市民生活に大きな影響を与えています。
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「ゼロコロナ政策」を掲げる中国。
「お願いです、夫を助けてください」
17日、上海では、ひとりの女性がぬれた路面に膝をつき、頭を下げていました。感染対策のため封鎖された団地の住民だといいます。
地元メディアによりますと、女性は、自宅にいる重病の夫を「病院につれて行きたい」と当局の担当者に頼み込んでいたといいます。
ほかにも、封鎖されたエリアから出られない市民が柵越しに、食料などを買い求める姿が見られるなど、厳しい制限は市民生活に大きな影響を与えています。
記者
「マンションが並ぶ団地の中に、臨時のPCR検査場ができていますね、かなり長い行列ができていますね」
上海市は、18日から3日間で一斉PCR検査を実施すると発表しました。およそ2600万人いる上海市民のほぼ全員が検査の対象となる見込みです。
住民へのPCR検査が行われている吉林省では、トラブルもおきています。
12日、検査を待つ行列の横に倒れた防護服を着た人の姿がありました。身分証がないと検査が受けられないと指摘されたことに怒った住民が、スタッフを暴行したというのです。
政府が推し進めるゼロコロナ政策についての限界を指摘する声もあがっていますが、習近平国家主席は「続けていくことが勝利だ」と、維持する方針を表明しています。