台湾の内閣にあたる行政院は、岩崎茂元統幕長を政務顧問に任命したことが分かりました。中国外務省はこれに反発し、日本側に申し入れを行ったとしています。

台湾の内閣に相当する行政院によりますと、日本の自衛隊制服組トップだった岩崎茂元統幕長を、政務顧問に任命したということです。

岩崎氏は航空幕僚長などを経て、2012年から2014年まで統幕長を務めました。行政院の政策顧問は非常勤で報酬はなく、それぞれの専門性に基づき行政院に対し提言を行うということです。

台湾としては岩崎氏の起用により、おもに安全保障分野で日本との連携を進める狙いがあるとみられます。

行政院の関係者は台湾メディアの取材に対し、「台湾の発展に有益な助言であれば喜んで取り入れる」と歓迎しています。

一方、中国外務省の報道官は、ことしは戦後80年にあたるとして、「歴史的責任を負っている日本は実際の行動で『一つの中国』の原則を守るべきだ」と非難し、日本側に申し入れを行ったことを明らかにしました。また、台湾の民進党政権に対し、「外部勢力と結託し独立と挑発を企てても成功することはないだろう」と反発しています。