21日から中国「春節」 日本の観光地も“爆買い”に期待 薬局では買い占めを懸念
21日から始まる中国の旧正月・春節の大型連休。現地では早くも大移動が始まっています。日本では“爆買い”に期待する声もある一方、薬局では薬の買い占めを懸念し、一部商品を1人1個に制限するなど対策をする様子もみられました。
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21日から春節の大型連休です。中国・北京の北京西駅では、すでに、春節の大移動が始まっていました。
中国の旧正月にあたる「春節」。のべ21億人が移動するともいわれています。
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人の波は、上海でも起きていました。皆さんのお目当ては、上海の名物土産「蝶々(ちょうちょ)パイ」というお菓子です。春節の手土産を買うために、多くの人が並んでいました。朝から2時間以上並んでいるということです。
お客さん
「春節を実家で過ごすため帰省します。家族のお土産を買いました」
蝶々パイを求めて、長蛇の列ができていました。
3年続いた、厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策はすでに撤廃されています。中国の大手旅行サイトでは、春節連休中の海外旅行の予約が、去年の春節と比べて6倍以上も増加しています。(※今月5日時点)
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春節の大移動、3年ぶりに日本にもやってきます。以前は、外国人客の半分が中国人だったという浅草の土産物店に話を聞きました。
土産物を販売する福光屋 栁澤香さん
「1万円くらいまで買われるお客さまもいます。来ていただければいいなと思います」
中国人客に期待する声は、着物のレンタル店でも聞かれました。
浅草着物レンタル大吉 大友雄介店長
「100%ウエルカム、もう期待マックスですね」
去年の春節の時期にはなかった中国の電子決済サービスや中国語のポップを用意するなど、準備を進めていました。
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一方で、不安の声も聞かれました。
高木薬局 高木孝一郎代表
「特定の風邪薬、解熱鎮痛剤を大量に購入される方が増えるのではないかと心配」
こちらの薬局では、先月から特定の解熱鎮痛剤や風邪薬を求める中国人が増え、一部商品は品薄になったといいます。厚生労働省の要請に基づき、この薬局では一部商品を1人1個に制限しています。
また品薄の商品と同じ成分が入った別の商品を、通常の販売量の1年分も用意したということです。
まもなくやってくる多くの訪日中国人。ただ、取材をしていると、この3年の間に閉店した浅草のお店もありました。以前は着物で写真が撮れるお店がありましたが、去年、閉店しました。
そのお店の関係者に話を聞くと、外国人客が戻る前に閉店を余儀なくされたといいます。
閉店した写真スタジオ関係者
「コロナになって外国人が来なくなると、日本人だけだとやっていけないですよね」
21日から始まる春節の大型連休。ただ、中国では海外への団体旅行が停止されたままで、以前の春節ほどの人数が来日することは、今回はないとみられています。