中国「企業弾圧」米TikTok取引禁止に
アメリカのトランプ大統領は6日、中国系の人気アプリTikTokの運営会社などとの取引を禁じる大統領令に署名しました。
トランプ大統領は大統領令の中で、「TikTokが集めたユーザーの情報が中国共産党によるスパイ行為に利用される恐れがある」「香港のデモなど中国が政治的に敏感な内容の検閲をし、新型ウイルスに関する虚偽情報を流すためにも使われている」としています。
そのうえでトランプ大統領は、「リスクは現実にある」として、この日の署名から45日後に、TikTokの運営会社バイトダンスのアメリカ国内での取引を禁じるとしています。
また、中国の対話アプリWeChatの運営会社テンセントとの取引も同じく禁じる大統領令に署名しました。
TikTokのアメリカ事業をめぐっては、マイクロソフトが買収交渉を進めていて、来月15日までの合意を目指しています。今回の大統領令は、中国系アプリの排除とともに、マイクロソフトによる買収交渉が有利になるよう圧力をかける狙いもあるものとみられます。
これに対し、中国外務省の報道官は、会見で「アメリカは安全保障を口実に、国家権力を乱用して企業を弾圧している。断固として反対する」と強調しました。
また、TikTokの運営会社バイトダンスは7日に声明を出し、「アメリカ政府が公正な対応をしないならば、我々はアメリカの裁判所に提訴する」と強く反発しています。