×

ガザ地区へなぜ侵攻? イスラエルとパレスチナ “乳と蜜の流れる土地”をめぐる“2つの悲劇”を理解する【#みんなのギモン】

2023年10月16日 12:26

■2007年から支配「ハマス」 国家・イスラエル自体も認めず

パレスチナ自治区は2つあり、ヨルダン川西岸とガザ地区です。人口約325万人のヨルダン川西岸を統治する「ファタハ」は「イスラエルとの共存」という姿勢で、住民もイスラエル側に買い出しに行くこともできます。

一方のガザ地区は、細長い形をしていて長辺は約50キロ。中央線の東京駅と八王子駅を結んだ距離より少し長いくらいですが、非常に狭いところに約222万人以上が住んでいて密集しています。

このガザ地区を2007年から支配しているのがイスラム組織「ハマス」です。ハマスは「パレスチナの地は自分たちのもので、パレスチナの独立国家をつくりたい」と考えています。そもそも「オスロ合意」も、イスラエルの存在自体も認めていません。

同じ言葉で“パレスチナ自治区”といっても、ヨルダン川西岸とガザ地区では、考え方がかなり違い、いまとなっては隔たりができています。

今回は、ハマスの戦闘員が長年、イスラエルに打撃を与えるための自爆テロなどを繰り返してきたため、欧米はハマスを「テロ組織」と認定しています。

子どもや若者が非常に多い一方、自治区の産業や経済力も乏しいため失業率がとても高い。さらにイスラエルとの境に高さ8メートルもの壁がそびえることもあり、ついた異名が「天井のない監獄」。多くの人が未来を描くことが難しい、そんな閉塞感がガザ地区にはまん延しています。

   ◇

長い間の憎しみと暴力の連鎖のただ中に、双方の対立があります。ただ、「ガザ地区の住民」イコール「ハマス」ではありません。今回の一連の空爆でも多くの子どもたちが家族や住まいを失ったり、大ケガをしたり、命を落としたりしていることを、私たちは決して忘れてはいけません。

(2023年10月16日午後4時20分ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

●あなたの身の回りの怒りやギモンをお寄せください。

お寄せいただいた情報をもとに日本テレビ報道局が調査・取材します。

#みんなのギモン

https://www.ntv.co.jp/provideinformation/houdou.html

おすすめ