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元徴用工訴訟 三菱重工の資産現金化へ一歩

2020年11月10日 12:42

韓国のいわゆる元徴用工の関連訴訟で、賠償を命じられた三菱重工業の資産について、売却に関する書類が10日、日本側に届いたとみなされ現金化の手続きが一歩進みました。

韓国の最高裁がおととし、三菱重工業に賠償を命じた元挺身隊員らの裁判で、三菱重工業が韓国国内で保有する資産の売却についての審問書類を受け取ったとみなす「公示送達」の効力が10日午前0時に発生しました。

これを受け、三菱重工業は、請求権の問題は1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決されたとして、「政府間のやりとりの現状なども踏まえ、意見書を提出する予定だ」と立場を明らかにしました。

韓国の大田地裁は、資産の差し押さえ命令についても公示送達の手続きをとっていて、12月29日と30日に順次、効力が生じます。資産の「現金化」に向けた手続きが一歩進んだかたちですが、さらなる手続きを経る可能性があるため、実際の現金化にはまだ時間がかかるものとみられます。