停戦合意「非常に長い時間かかる」~ロシア報道官
ロシア大統領府のペスコフ報道官は30日、ウクライナとの停戦協議について合意に至るまでには「非常に長い時間がかかる」との認識を示しました。
首都制圧を目指すロシア軍の激しい攻撃にさらされたキーウ近郊の町、イルピン。市長は町を完全に奪還したと発表しましたが、多くの市民が戦闘の巻き添えになりました。
イルピン市長「200~300人が死亡した。さらに、多くの人がガレキの下敷きになっている」
市長はまた「町の50%が破壊された」と述べました。
一方、ロシア軍の包囲が続く南部の都市マリウポリは壊滅状態となっていて、アメリカのシンクタンクは「ロシア軍はあと数日でマリウポリ制圧を完了する」と分析しています。
また、地元当局は30日、市内の病院職員など70人がロシアに強制的に連れて行かれたと発表しました。
マリウポリ市ではロシア軍による「強制連行」がたびたび起きていて、連れ去られた市民はおよそ2万人に達するとしています。
こうした中、ロシア大統領府のペスコフ報道官は29日に行われたウクライナとの停戦協議について、「交渉で画期的な進展はなく、合意までには非常に長い時間が必要となる」と述べました。
両国の代表団は「一定の進展があった」との認識を示していましたが、停戦交渉の行方は依然、不透明なままです。
ウクライナから周辺国に避難する人は増え続けていて、UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は30日、国外に避難した人の数は400万人を超えたと発表しました。